1: 名無しさん@おーぷん 2016/09/24(土)00:36:08 ID:Vrh
本拠地、大坂城で迎えた対家康合議
先発上杉景勝が大量失点、五奉行も勢いを見せず惨敗だった
大坂のまちに響く民衆のため息、どこからか聞こえる「今年で臨終だな」の声
無言で徳川家になびき始める大名達の中、太閤秀吉は独り天守閣で泣いていた
天下統一で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる家臣団・・・
それを今の政権で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」秀吉は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、秀吉ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい畳の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、秀頼のためにまだ生きなくちゃな」秀吉は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、秀吉はふと気付いた
「あれ・・・?信長さまがいる・・・?」
天守閣から飛び出した秀吉が目にしたのは、辺りを埋めつくさんばかりの信長だった
千切れそうなほどに千成瓢箪が振られ、地鳴りのように馬蹄の音が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする秀吉の背中に聞き覚えのある声が聞こえてきた
「兄者、長浜まであともう少しですぞ」声の方に振り返った秀吉は目を疑った
「小・・・小一郎?」 「殿、居眠りでもしてたのですか?」
「神・・・神子田?お前切腹したんじゃ・・・」 「殿、何を仰るか、神子田殿を切腹などと」
「尾藤・・・」 秀吉は半分パニックになりながら戦況の図面を見た
1番:一柳直末 2番:尾藤知宣 3番:竹中重治 4番:羽柴秀吉 5番:蜂須賀正勝 6番:内川 7番:神子田正治 8番:青木一矩 9番:羽柴秀長
暫時、唖然としていた秀吉だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
佐吉から采配を受け取り、殿へ全力疾走する秀吉、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、草履と共に冷たくなっている秀吉が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
引用元: ・秀吉「どうすりゃいいんだ・・・」
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